
都営大江戸線は、新宿や六本木などを結ぶ路線で、2019年度の1日の利用者は約98万人と多くの人が通勤通学にも利用されています。
そんな都営地下鉄大江戸線の運転士の間でなんとクラスター発生し、年末年始の約2週間、間引き運行となりました。詳細は以下の感じです
運転士の感染が最初にわかったのは、昨年12月15日だ。それから次々に感染者が判明し、今月4日までに38人に上った。大江戸線に乗務する運転士の2割に当たり、感染者との濃厚接触者となった運転士ら4人も出勤できなくなった。このため大江戸線は、昨年12月27日から1月11日にかけ、運行本数を普段の7割程度に抑える運行体制となった。
なんと感染者が38人!!これはかなりの数ですよね!
都交通局によると、38人はいずれも江東区内の庁舎で始発などに備え宿直をしていて、寝室は個室で、リネン類も毎日交換されていたが、洗面所や浴室、台所は共用で、同時に複数人が利用することもあったようです・・
そして12月の保健所の現地調査で、感染を広げたと推定されたのは洗面所の蛇口だったことが判明!!
クラスターの原因が蛇口??一体どういうことなのでしょうか??
過去にはキーボードが原因でクラスターが起きたことも??怖い・・・
マスクをして飛沫感染を防ぐのは周知のことですが、まさか蛇口やキーボードに感染原因があるとは・・少し盲点ですよね!
ただ!!実は多くの人が接触する部分「ハイタッチサーフェス」による接触感染はよくあることらしい・・
ということで今回はなぜ蛇口やキーボードがクラスターの原因になったのか?「ハイタッチサーフェス」による接触感染とは?について
詳しく解説してみたいと思います。
目次
歯磨きがクラスターの原因?
大江戸線の運転士のクラスターが洗面所の蛇口だったと判明しましたが、一体どういう経路だったのでしょうか??
それをわかりやすく図解したものがこちら!歯磨きの際に唾液が付着した手で触れるなどし、ウイルスが付着した可能性が高いということですね。
確かに歯磨きはマスクも当然外すし、唾液がついた手による蛇口を介しての接触感染が起きる恐れもあり、唾液が飛び散るので飛沫感染の恐れもありますから、
ある意味Wで怖いと言えますね・・
大江戸線だけじゃない!沖縄のクラスターも歯磨きが原因??
実は大江戸線運転によるクラスターの少し前に沖縄でも「歯磨き」が原因と見られるクラスターが発生しています。
那覇市のNTTドコモコールセンターで2日以降、従業員計17人が新型コロナウイルスに感染していたことが14日分かった。沖縄県はクラスター(感染者集団)と認定。洗面所での歯磨きなどが感染拡大につながった可能性もあるとみている。2020.12.14 産経新聞
従業員はふだん、マスクやフェイスシールド、ゴーグルを着用するなど感染対策に努めていたようですが、歯磨きのときは流石に外しますからね・・
まとめると、洗面所は換気が悪く狭いので密になる→マスクを取る→唾液が飛ぶ(飛沫感染)+唾液のついた手で蛇口に触れる(接触感染)→結果、歯磨きはクラスターが起きやすい!ってことになります。職場や学校などでの歯磨きは、かなりのリスクがあると言えますね
歯磨きによるクラスターを防ぐには?
「歯磨きで口腔(こうくう)内の細菌数を減らすことは虫歯や歯周病を予防するだけでなく、感染症を予防することにつながる」と言われていますから、歯磨きをすること自体は感染予防として大切なことです。ただ、職場や学校などで歯磨きをする場合はクラスターが起きないように注意が必要です。
ではどうしたら防ぐことはできるのでしょうか?
日本学校歯科医会によると、
- 洗面所ではソーシャルディスタンスを保ち、密にならないよう時間帯をずらす
- 歯磨きによる飛沫(ひまつ)を防ぐため私語を控える
- 歯磨き中は口を結び、前歯の裏を磨くときは飛沫しないように口を手で覆って磨く
- うがいは10ミリリットル程の少量の水で1~2回、水は跳ね返らないように低い位置からゆっくりはき出す
- 使用した歯ブラシはよく洗い、水を切って乾燥させて保管する―を挙げている。
の5点がキーポイントのようです。
喫煙所もクラスターの原因になる?
ここでふと思ったのが、歯磨きと同じようにマスクを必ず取り、密になることが多く、さらには唾液が飛ぶ可能性がある喫煙はどうなのか?
喫煙所も洗面所同様に、換気が悪い(密閉)・狭い空間(密接)・人がたくさん(密集)の3密が完全に揃っています。
当然マスクもしませんよね・・しかも煙を吐くときに唾液も拡散しますので飛沫感染リスクが高いと言えます。
さらには、たばこは手に持って吸うもので、必然的に喫煙時は手を顔に近づける機会が多くなり、接触感染の確率も高まるようです・・
つまり、歯磨きと同じ条件がそろってますので、クラスターの原因になる可能性が高いということですね!
新型コロナウイルス感染症に万一感染した場合、重症化のリスクを高めるとも言われていますから、これを機に禁煙はいかかですか??
キーボードもクラスターの原因に?
実際にクラスターが起きた歯磨きは3密+飛沫感染+接触感染のWリスクだから!と先程結論付けましたが、実は3密+Wリスクでなくてもクラスターが発生した事例があるんだとか!しかも原因はなんとキーボード??兵庫県の医療法人公仁会「姫路中央病院」で起きたクラスターですが、
同病院で2日に感染が確認された60歳代の男性医師について濃厚接触者を検査した結果、周辺で働く医療スタッフ5人が感染していることがわかった。医師と同じ端末のキーボードや控室を共用していたことなどが原因とみられる。
市保健所によると、医師が使用していた端末のキーボードは、複数のスタッフで共用していたが、一つ一つのボタンに高さがあり、入力時には深く打ち込むタイプのもので、十分な消毒が難しかったと説明している
と高さのあるキーボードを共有してことが原因とされています。
これについてはWEB上でもかなり話題になりました。
クラスター原因の所で、端末のキーボードなんてあり得るの?と言っている人は、例え医療者であっても院内感染に関する教育を受けていない人だと思う。PC端末やキーボードは院内感染の主力墓地なんですけど、、、
— (@suzuzZ) December 7, 2020
キーボードが消毒難しくてクラスター元になってるっての、消毒のしやすいキーボードとか、それこそバーチャルキーボードとか打ちづらいものの筆頭だったけど今後のトレンドになったりするんやろか。 pic.twitter.com/LqgfGre1Wb
— さらしる (@sarasiru) December 7, 2020
接触感染だけでもクラスターが起きたのは衝撃的ですよね・・
ハイタッチサーフェスによる接触感染って?
先程の共有キーボードの例を考えると、多数の人が手で触れるものってかなりありますよね。
蛇口はもちろん、ドアや扉などの取っ手などをはじめ、駅構内の階段やエスカレーターの手すり、電車の吊革、エレベーターや券売機のボタン、銀行のATM、買い物かごなどなど。これらの不特定多数の人が触れやすい場所や物の表面は「ハイタッチサーフェス」(高頻度接触環境表面)と呼ばれ、
実は、新型コロナウイルスの感染は、このハイタッチサーフェスから、感染が広がる危険性が高いといわれています。
NHKでの検証実験では、ウィルスを蛍光塗料に見立てて可視化し、どのように拡散していくかを調べていて、なんとわずか1時間のうちにオフィスの端から端まで、接触感染が広がっていくことが確認されています。冷蔵庫の取っ手、コピー機のボタン、ドアノブ、その他「ハイタッチサーフェス」を介して手から手、顔にウイルスが付着していく様子は恐怖を覚えます・・実際にその検証動画をみてます。
これ結構、ちょっとヤバいですよね・・
また動画の中では、感染者の「便」にもウィルスが含まれていて、トイレから広がっていくことも実証されています。
よく考えたらトイレも3密ですからね。。トイレの感染拡大はコロナに限らず、ノロウィルスが流行した際にもよく言われていたので知っている方も多いかもしれませんね。
スマホを触っても感染する可能性がある??
1人1台持っているといわれる、スマホ。今これを見ているのもスマホという方が圧倒的に多いかと思います。実はこのスマホもハイタッチサーフェスから運ばれたウィルスが付着し感染する可能性があるといわれています。まずは、そんなリスクについてまとめてある以下の動画をご覧ください
細菌にくわしい中原英臣医学博士は、「ツルツルしたところと、洋服とかザラザラしたところで、どちらがウイルスが長い間感染力が維持するか、ツルツルしたところの方が1~2日感染力が保って生きているといわれている」と話した。 金属やつり革などのプラスチック、つるつるしたものにつくと、最大48時間ほども生存する。
中原英臣医学博士は、「手すりにウイルスが付いているとする、あるいは(つり革を)触った手でスマホを触る人が多い、電車の中で。そうすると、付いたウイルスがスマホに付いてしまう。おうちに帰って、ご家族がもしその物を触れば、家族の人にも感染する可能性がある」と話した。
スマホの画面はツルツルなので最大48時間はウィルスが生き続けるため、ウィルスを持ち歩いているようなもの!ってことですね。。
ハイタッチサーフェスによる接触感染を防ぐには?
ではでは、このハイタッチサーフェスによる接触感染を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか??
調べてみるとやはり、こまめな手洗いとアルコール消毒が有効のようです。
1日10回以上の手洗いで感染伝播(ウィルスを運んでしまう)リスク55%ダウン!
アルコール消毒をすることで一般的な風邪のリスクが65%ダウンするといわれているようですね!
特に、新型コロナウィルスは構造上、アルコール消毒が効きやすいらしいです!
ウイルスはその構造からエンベロープのあるウイルス(エンベロープウイルス)と、エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)に分けられ、
エンベロープウイルスは、アルコール消毒剤によりダメージを受けやすいのに対し、ノンエンベロープウイルスは、アルコール消毒剤が一般的に効きにくい傾向にあります。
新型コロナウィルスは「エンベロープウイルス」に分類されていて、アルコールが膜を壊してウイルスにダメージを与えるため、
アルコール消毒剤が有効とされています
ちなみに、手など皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効
であることが分かっています。
先の中原英臣医学博士も「家に帰ったら手を洗うのも大事ですけど、家で消毒液を持っている人は、スマホもちゃんと消毒する。これがとても大事なことになる」と話していますから、こまめな手洗いの徹底+アルコール消毒が予防の効果が高そうですね。
まとめ
大江戸線の運転士によるクラスターの原因が蛇口だったというニュースを元に、ハイタッチサーフェスによる接触感染についていろいろ調べてみました。
クラスターは3密+飛沫感染リスク+接触感染リスクがそろうと発生する確率が高いということがわかりました。また感染経路については「接触感染」が最大のルートと言えるかと思います。とはいえ、人が生活していく上では、ハイタッチサーフェスを避けることはできません。少しでもリスクを回避するためには、基本である手洗いとアルコール消毒をきっちり実施することが一番!今見ているスマホもきっちりアルコール消毒してくださいね!
今回判明したようにクラスターの要因がいろいろとハッキリしてくることは本当に貴重なことです。このような情報が集まることで感染予防の精度がどんどん高まっていくことが大事なことですからね!今後このような情報があれば、ぜひみんなで共有し拡散していきましょう!